G1 マイルCS 阪神 1600m
近2年の傾向
20、21、22年の3年間でのみ変則的に阪神で開催されているマイルCSだが、実力馬による決着がほとんどで、6頭中5頭が過去にG1を制していた。
更にここ2年は3歳馬の秋競馬での活躍ぶりが目まぐるしく、ピクシーナイトのスプリンターズS制覇を皮切りに9Rで4勝と半数を3歳が制している所からも、欧州のように早熟性の強いレース傾向が続いている。血統なのか育成の変化なのかは微妙だが。
スプリンターズS 21年:1、4着、22年:2、5、15着
天皇賞・秋 21年:1着、22年:1、3、9着
エリザベス女王杯 21年:2、7着、22年:2(同着)、5、9、14、18着
マイルCS 21年:2、3、5、13、14着
ジャパンカップ 21年:3、6着
有馬記念 21年:1、4、5、16着
以上計9Rで4-4-3-16(勝率:14.8%、複勝率:40%)
特にノーザンF生産馬は、4-1-3-8と勝率25%・複勝率50%と抜けている。
非根幹のエリ女を抜けば、4-1-3-5なのだから去年掲示板を独占したマイルCSでは当然軽視できないだろう。
注目馬
・ソダシ
G13勝馬。今年はⅤマイルで3勝目を挙げた。前走の府中牝馬Sは2着。
ただ、前々走のⅤマイルで勝利など芝マイルでは4勝無敗のマイル女王。
近年のマイルCSは確かに牝馬不利な傾向がある。直近10年(2-0-1-26)。2勝はグラン、3着はドナウブルー。全て外国人J騎乗によるものだから吉田隼人のソダシは不安感が残る。
ただソダシはレコードの桜花賞を勝ち切っているし阪神JFのようなタフなレースでも勝ち切っているのだから能力自体の問題はないはず、自分のレースができるように鞍上が導けるかが問題だ。
・サリオス
2歳以降G1勝利から遠ざかっているが、前走の毎日王冠を勝利するなど復調傾向。香港マイルや安田記念で3着など外国人J騎乗のG1では、1-2-2-1と好走する本馬にとって鞍上ムーアは朝日杯の再現が期待できそう。ハーツクライ産駒の5歳は完熟することも多く、ここでコントレイル世代の意地を見せられるか?
前走レコードの影響が気になるが、大阪杯やスプリンターズSのように今年は苦戦傾向があるので、買うなら紐か。
・シュネルマイスター
前走のスプリンターズSは距離、度外視。ドバイも前哨戦を使わなかったのが
スプリントの流れを経験したのもこの馬にはいい刺激になったはず。
スプリンターズSからの臨戦ではマイルG1勝利実績が必要なので心配はいらない、ここでNマイル以来の勝利を掴むことになるか?
スプリンターズSからの転戦組は2-0-0-6と極端なので、買うなら紐。
ただ4歳馬の強いレースだけに意地を見せてほしい。
・ダノンスコーピオン
今年のNHKマイル勝馬。
カワキタレブリーの激走などレースレベルは軽視されているが、勝馬には関係ないだろう。近走は外枠が多いので、内枠に入ったら馬券内は固いとみた。
ロードカナロアのケイアイFだから同産駒の勝利でダノンスマッシュで成し遂げられなかったG1父子制覇を狙ってくるだろう。
富士Sはセリフォスのマークで交わされたが、人気落ちのマイルCSで同斤量。逆転もあり得る。
・セリフォス
前走は富士Sを快勝。デイリー杯を制し、朝日杯で経験した舞台で好相性。
重賞2連勝の無敗で臨んだ朝日杯で敗れたのはドウデュース。仕方ない。
前走は上手く控えて抜け出し快勝したが、控えめな競馬は本番では無用。
鞍上がレーンに変わるのも好条件で安田記念のように大外を回して追い出しが遅れることもないだろう。
先週のエリ女のように外国人Jが穴を空けることが多いだけに初G1の期待も高い。
特注馬
☆ピースオブエイト
ノーザンF生産馬で毎日杯でドゥラドーレス相手に勝利。
日本ダービーでは最下位に終わったが、小倉記念5着、富士S4着と好走を続けている。基本的には好位抜出型の馬だが、前走では上位人気3頭に迫る競馬を見せ、馬体重も復調気味でそれ以上の仕上がりで迎えるのであれば、一番買いたい3歳馬。日曜の雨予報も味方するはず。
無敗の阪神外回り、鞍上もエリザベス女王杯を制したC.デムーロと舞台はそろった。底力は世代トップのはず。グラスワンダー系の勢いに乗りたいところだ。
ダービー出走馬はサダムパテック・トーセンラー・グランデッツア・ステルヴィオ・ペルシアンナイトなど4-4-4-33と好成績。
追切前予想
◎セリフォス
〇ピースオブエイト
▲ダノンスコーピオン
△サリオス
△シュネルマイスター
以上。